AHEADMAP関東支部

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平成30年1月27日配信のお題論文のデザインはcase-control studyです。Case-control studyって何ですか?

 薬の効果を検討する臨床試験のdesignでよく行われるrandomized controlled trial(RCT)は暴露のから設計される試験で、現在から未来へ向かって調査します。それに対して、平成30年第1回配信のお題論文のdesignはcase-crossover study(書かれていますが括りはcase-control studyです)は現在から過去に向かって調査する試験です。crossoverというのはcaseとcontrolを設定した場合でも、ある一定期間をおいてcaseとcontrolを入れ替える、つまりcrossさせる試験のdesignです。このdesignの利点は症例数が稼げることです。case20人、control20人で行えば入れ替えて40人ずつのデータが取れます。しかしインターバルを置くとはいえ暴露の影響が完全に消えているのか?は誰にもわからないので信頼性に影響が出ることが欠点です。今回のdesignはcaseとcontrolをcrossさせていませんが、同一人物の発作の無い期間とあった期間を比較をしているためと思われます。

 Case-control studyは設定した調査期間の発症した例としない例を抽出し、過去の暴露状況を調査します。

 Case-control studyの利点は追跡をしない為、お金と時間がかからないことです。しかし、これにより同時に大きな欠点も抱えます。それは過去の状況を現在から調査するため詳細が不明になる可能性があることです。

 今回のお題論文もそれを踏まえて結果を見て頂けたらと思います。