平成29年 第1回AHEDMAP関東支部抄読会開催のご案内 ~~添付文書の???(謎)~~
皆さま、はじめまして、こんにちは。
平成29年 第1回AHEDMAP関東支部抄読会の開催をご案内致します。
ツイキャス配信日時:平成29年9月17日(日曜)午後9時15分頃を予定しております
ツイキャス配信はこちら↓
https://ssl.twitcasting.tv/aheadmap_kantou/broadcaster
お暇であれば聞いてみてください。
<introduction>
添付文書は医薬品の説明書です。医薬品の箱の中に薬と共に同封されています。
記載する項目と記載の仕方が定められています。
しばしば記載内容に疑問を感じることがあります。
だいぶ前の話ですが、併用禁忌の薬剤において、互いの添付文書に片方は記載があるが、もう片方には記載がない(※その後改訂されて現在は両薬剤共に記載はあります)。その時はなんで?と思いました。
同系統の薬剤でも用量が年齢により区分されているものもあれば、体重で区分されているものもある等。
このような???と思う点を添付文書作成の基となる治験データや引用文献、他一次資料に遡り、解決出来るのでしょうか?
<シナリオ>
ある町の薬局にて、
午前中の診療が終わった頃、近くのクリニックのドクターから電話があり、こんなことを聞かれました。
「統合失調症の患者さんで寝つきが悪いって言うんだよね。高齢だけど自立歩行できるからなるべく転倒のリスクの少ない睡眠薬にしたいなと思って、それで非ベンゾジアゼピン系のゾルピデムとかゾピクロン、エスゾピクロンを使おう思ったんだけどゾルピデムは適応外なんだね。なんで同じ系統なのに適応が違うのかな。ゾルピデムは適応に入ってないから効果は無いのかな? ゾピクロン、エスゾピクロンなら大丈夫なの? 」
データが無かったため午後の診察が始まる前にお答えすることでその場は電話を切りました。
確かにゾルピデムの添付文書の使用上の注意に「なお、統合失調症あるいは躁うつ病に伴う不眠症には本剤の有効性は期待できない」の文言はあるがゾピクロン、エスゾピクロンには無い。
<患者情報>
現在76歳、女性。
28歳頃から無気力、引きこもりがち。47歳頃から幻聴、被害妄想が出現し統合失調症と診断される。
家族歴、既往歴に特記すべきことなし。
現在の処方:オランザピン 1日2.5mg、センノシド1日12mg、パロキセチン1日10mg。
さて、まずどんな情報を集めればいいか?
承認時の情報を知りたい...
1.承認審査報告書
http://www.pmda.go.jp/drugs/2000/g000903/51repo01.pdf
エスゾピクロン:
http://www.pmda.go.jp/drugs/2012/P201200006/170033000_22400AMX00027_A100_3.pdf
※ゾピクロンは承認時期が古く、現在webでは承認審査報告書が公開されてない。
一次資料も見たい...
2. The effects of eszopiclone on sleep spindles and memory consolidation in schizophrenia: a randomized placebo-controlled trial.
PMID:23997371
3. Comparative efficacy of newer hypnotic drugs for the short-term management of insomnia: a systematic review and meta-analysis
PMID: 15252823